頼清徳氏の就任演説:中国との関係を強調
きょう、台湾の新しい総統に就任したのはこちら、民進党の頼清徳氏です。
注目された就任演説では、中国との関係について、現状維持を強調。
一方で、台湾は中国の一部だとする中国の主張を否定しました。
今後の中国との関係はどうなるのでしょうか。
中国政府の反発:台湾統一への意欲
演説を受けて、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官がコメントを発表。
両岸の対立と対抗をあおっている。
民意を顧みず、時流に逆行し、台湾海峡の平和と安定を損なう危険なシグナルを放ったと非難しました。
その上で、台湾独立はいかなる形式であろうと決して容認しないし、容赦もしない。
祖国は統一されなければならないし、必然的に統一されるなどとして、台湾統一への強い意欲を改めて示しました。
台北には逵健雄支局長がいます。
逵さん、中国側は、就任演説に反発していますけれども、今後、この中国と台湾の関係はどうなっていくんでしょうか。
中台関係は改善の可能性、当面、低いと見ます。
頼総統としては中国が台湾にさまざまな圧力をかけてきている、そんな中でも、台湾は中国と交流して、ともに平和と繁栄を追求したいと呼びかけました。
これが中国に対する善意を示したというのが頼総統の立場です。
しかし、中国側がこれを善意だと受け止めることは望み薄です。
演説全体が、台湾と中国は別だというトーンで貫かれたからです。
中国は早速、頼総統のことを台湾独立工作者の本性を完全に露呈したと、非難しました。
台湾海峡の平和と安定を損なう危険なシグナルを放ったとも主張しています。
中国、これまで同様、台湾周辺で軍事活動をエスカレートさせたり、野党に働きかけたりして、頼清徳政権を揺さぶろうとすると予想されます。