レゲエの神様としてのボブ・マーリー
世界的ミュージシャンとなったその半生が描かれています。
プロデューサーを務めた、ジギー・マーリーさん。
ボブ・マーリーの息子で、グラミー賞を8度受賞しているミュージシャンです。
この時代にあってこのワンラブという映画を作った意義というのはどういったところにありますか。
レゲエの神様として知られるボブ・マーリー。
1970年代、カリブ海の島国、ジャマイカの音楽、レゲエを世界に届けました。
白人の父と黒人の母の間に生まれ、貧困地区で育った彼は、その曲に自身の思いを乗せてきました。
橋渡し役だったというボブ・マーリー。
そんな彼を象徴する出来事があります。
音楽で対立を超えたボブ・マーリーの平和への貢献
1970年代後半、ジャマイカは分断の真っただ中にありました。
東西冷戦を背景とした、二大政党による対立です。
社会主義路線をとっていたマイケル・マンリー首相。
資本主義を掲げていた野党党首、エドワード・シアガ氏。
両党の支持者らによる銃撃戦が起きていました。
政治による分断です。
このとき、国をまとめようと立ち上がったのが、ミュージシャンのボブ・マーリー。
すでに音楽の力で世界の垣根を越え、活躍していました。
当時、彼に対する暗殺未遂事件もあり海外にいましたが、母国の危機に帰国を決意。
自身の命をかえりみず、行動を起こしたのです。
1978年に開催されたワン・ラブ・ピース・コンサート。
ボブ・マーリーは敵対する両党首をステージに上げ、2人の握手を実現させたのです。
平和は一時的なものでしたが、その光景は今も語り継がれているといいます。
分断ではなく、結束へ。
ボブ・マーリーが示した音楽の力。
しかし今。
音楽の力で人々を結びつけたボブ・マーリー。
彼の音楽は、今も世界で歌われています。
音楽って情勢が不安だったり、戦争が起きる中、命に直結するものではないので、娯楽だとか、必要ないものだといわれることもあると思うんですが、ただ、このボブ・マーリーの根底には、結果ではなくて、実行、闘い続けることが大事だという考え方があるんだなと思いまして、だからこそ、困難な状況でも音楽の力を訴え続けていくという実行をしたんだなというふうに感じましたね。
ボブ・マーリーの伝える愛って、そもそも何なんだろうというのが私がこのインタビューで聞きたかったことなんですね。
愛っていうのは、諦めずに行動し続けること、そして信じて、伝え合うことなんだというふうに思いました。
ジギーさんは世界のリーダーがもっと愛のこのことばを自分のことばで語れば、平和な世界が実現するんだというふうにおっしゃっていました。