北朝鮮の人工衛星打ち上げに対応する沖縄県と日本
北朝鮮は、きょう未明、人工衛星を打ち上げると通報しました。
こちら、北朝鮮の北西部にありますソヘ衛星発射場の方角を捉えた映像なんですけれども、今のところ、変わった様子は見られません。
北朝鮮は前回と同様、南の方角に打ち上げると見られます。
その思惑とは。
けさの沖縄県庁。
沖縄県では、前回・去年11月の打ち上げの際、Jアラート・全国瞬時警報システムで情報が発信されました。
きょうも危機管理対策本部を設置するなど、対応に追われました。
北朝鮮は、きょう午前0時から来月4日の午前0時までの間に、人工衛星を打ち上げるとしています。
部品などが落下する可能性がある場所は、日本の排他的経済水域・EEZの外側にある3つの海域。
これは前回と同じです。
北朝鮮の軍事偵察衛星の技術的進展と南向き打ち上げの理由
前回、北朝鮮が成功したとする、軍事偵察衛星のマルリギョン1号については、新たな分析も明らかになっています。
宇宙工学の専門家が、ことし3月上旬までのデータを基に分析したところ、地球を周回し、ほぼ5日ごとに同一地点の上空を通過しているということです。
この衛星の軌道を平面の地図で表すと、黄色の線のようになります。
周辺には、航空自衛隊の基地やアメリカ軍の基地などがあるということです。
また、地上からの指令で衛星の高度などが制御されている可能性があることも分かりました。
高度は打ち上げられて以降、徐々に下がっていましたが、ことしの2月下旬には、少なくとも5回、上がっていたということです。
元航空自衛隊のトップは、主に日中の時間帯にカメラで撮影する光学衛星である可能性を指摘します。
ことし中に追加で3基の軍事偵察衛星を打ち上げる計画の北朝鮮。
今回、前回と同じ南の方角に打ち上げるのはなぜなのか。
航空宇宙工学などの専門家により ますと、偵察衛星や地球観測衛星は、北極付近と南極付近の上空を通過する極軌道で打ち上げられること が一般的だということです。
北の方角に打ち上げた場合でも、極軌道への投入はできますが、佐原教授は、大陸が広がる北側ではなく、南側のほうが打ちやすいと見られる。
フィリピンに落下物がないようにしながら、軌道に投入していると見られると指摘しています。
その上で、北朝鮮の軌道投入の精度は、アメリカのスペースXのファルコン9ロケットにも匹敵するほどで、技術的にかなり高度なところに到達していると指摘しています。