フィリピン周辺での海警5901の活動
中国海警局の最大級の船、いわゆる「モンスター船」と呼ばれる海警5901がフィリピン周辺の南シナ海でたびたび航行しており、各国の当局が注視しています。
この船は全長165メートル、排水量およそ1万トンで76ミリ砲を備えています。
先月、この船がフィリピンの排他的経済水域内に入り、中国が実効支配するスカボロー礁の周辺海域を航行したと伝えられ、新たな懸案として捉えられています。
中国は南シナ海でフィリピン側の船に放水銃を使うなど、威圧的な行動を強めており、軍事力の行使には至らないいわゆる「グレーゾーン」の手法で周辺国への圧力を増しています。
東シナ海での相次ぐ挑発的行動
南シナ海についての中国の行動は、日本周辺の東シナ海でも見られるようになりました。
海警5901の同型船、海警2901も同様の活動を行っており、AIS(船舶自動識別装置)のデータ分析によると、この2年で自らの位置情報を発信しながら東シナ海を航行する動きが目立ち始めています。
日中中間線の付近をたびたび航行し、時折中間線を越えることも確認されています。
さらに、今年4月には沖縄県の尖閣諸島の沖合約80キロメートルまで近づいて航行していました。
専門家は、海警2901があえて位置情報を発信して活動するのは抑止と威圧を目的としたものだと指摘しています。