ブナを中心とした豊かな森
福島県西部の只見町。
日本有数の豪雪地帯に落葉広葉樹の森が広がります。
その中心はブナ。
森は生きものの宝庫で哺乳類40種、鳥類170種ほどが確認されています。
山肌が露出した急斜面。
カモシカやツキノワグマの大切な食事場所です。
森に囲まれた渓流にはカワガラス。
子育てに励みます。
新緑のブナの森に生きものたちの姿を追いました。
福島県南会津郡只見町。
標高1,000メートル級の山々が連なり山肌は麓から稜線付近まで豊かな森に覆われています。
生き生きとした生態系の織り成す生命の躍動
春になって地上に現れました。
この辺りの地形には大きな特徴があります。
それは山肌がむき出しになった急しゅんな谷。
斜面には背の高い木がほとんど生えていません。
こうした谷は降り積もった大量の雪が雪崩となって地面を削り取り形成されました。
「雪食地形」といいます。
豪雪の影響を受けた険しい只見の山々。
その地形を巧みに利用する生きものたちがいます。
急斜面を悠々とかっ歩する生きもの。
国の特別天然記念物…顔を枝にすりつけています。
これは自分のにおいをつけて縄張りを主張する行動。
開けた斜面は下草などの食べ物が豊富なのです。
日に日に雪どけが進むブナの森。
雪どけ水が集まり水量豊かな沢となって流れ下ります。
川の上を木々が覆っています。
「渓畔林」と呼ばれています。
雄大な自然の中で掛けがえのない命の躍動がありました。