ヨーロッパでのウクライナ情勢に関する会議と対照的な動き
ロシアによる侵攻が続くウクライナを巡って、今週、ヨーロッパではウクライナへの関与を強めようという国際会議が続きます。
そんな中、欧米と対立するロシアは、中国やブラジルなど新興国で作るグループ、BRICSの外相会議を開いています。
どんな思惑があるんでしょうか。
BRICS外相会議でのロシアの思惑と外交戦略
後ろにある会場では、ロシアが20以上の国の外相などを集めて、会議を行っています。
私が話を聞いた外交関係者は、ロシアはBRICSの枠組みを最大限生かし、友好国との関係強化に乗り出すと話していました。
ここ、ニジニ・ノブゴロドはロシアの歴史を感じることができる観光地でもあります。
参加者には自然や歴史、文化にも触れてもらい、ロシアの立場への理解につなげたいといった思惑も感じます。
加盟国の数を増やすだけでなく、どういった国を入れるのかもにらんでいると思います。
NATOの一角でもあるトルコも関心を寄せているとされまして、トルコなどが入れば、欧米側の分断にもつなげられると考えているはずです。
一方、ロシアの思惑どおりに進むかといいますと、そこは不透明でして、実はきのう、こんなエピソードがありました。
きのうの外相会議の冒頭を取材していたところ、BRICS加盟に合意していたサウジアラビアの欠席が急きょ伝えられたのか、事務局側が慌ただしく席を片づける様子がありました。
欠席の背景は分かりません。
ただ、欧米の完全な対抗勢力になることに、関係国からは懸念の声も聞かれています。
それでもロシアとしては、10月のBRICS首脳会議に向けて、自分たちがアメリカ中心の国際秩序に対抗する勢力だとして、外交を活発化させていくものと見られます。