中村哲さんの功績と用水路の整備
アフガニスタンで人道支援を続けてきた医師の中村哲さんは、1980年代から医療支援に従事してきましたが、干ばつによる食料不足に苦しむ現地の人たちを目の当たりにし、井戸や用水路の整備に取り組みました。
中村さんが整備した用水路は、今も65万人以上の命と生活を支えています。
中村さんは2019年に現地で何者かによって殺害されましたが、捜査は進展しておらず、真相は解明されていません。
殺害後も、中村さんが現地代表を務めたペシャワール会は活動を続けており、ことしアフガニスタン東部で新たな用水路が完成しました。
ペシャワール会の活動と現地での影響
ペシャワール会の取り組みで多くの畑に水が届くようになり、村では農業を再開する人たちも相次いでいます。
吉岡陽一郎氏によると、現地で実権を握るイスラム主義勢力タリバンの幹部も中村さんがしてくれたことをアフガニスタン全土に広げてほしいと話しています。
ペシャワール会はすでに東部で4月から新たな用水路の建設を始めており、この活動は日本からの会費や寄付で成り立っているため、中村さんの死後も支援を続ける市民が多くいます。
地道な支援が引き続き求められている中で、中村さんの遺志を継いだ用水路は、アフガニスタンの人々を前向きに支え続けています。