女子中学生の死亡といじめの認定経緯
3年前、北海道旭川市の公園で、女子中学生が死亡しているのが見つかった問題について、遺族の求めで設置された市の再調査委員会は、いじめが原因の自殺だったとする調査結果をまとめました。
旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さんは、3年前の2021年3月、雪の積もった市内の公園で死亡しているのが見つかり、その後、いじめがあったことが認定されました。
しかし、市教育委員会の第三者委員会による調査では、死亡したことといじめとの関係性が明らかにならなかったことから、遺族の求めで、新たに再調査委員会が設けられ、調査が続けられてきました。
再調査結果といじめによる自殺の関係性
それによりますと、再調査では関係者への聴き取りなどを改めて行い、中学校の内外で起きた7件の行為をいじめと認定しました。
その中には、性的ないじめも含まれるとしています。
また、当時、中学校はいじめではなく、加害生徒による問題行動とだけ捉えて、女子生徒への適切な対応を怠ったほか、市教育委員会も学校への指導や助言を怠っていたと指摘しました。
一方、女子生徒が亡くなったことについては、いじめ被害が過去のものとならず、継続して苦しみ、死を決意したなどとして、自殺だったという見解を示し、死亡したことといじめとの関係性を初めて認めました。
その上で、女子生徒がPTSD・心的外傷後ストレス障害を発症し、自殺に至るまでトラウマに苦しみ、自尊感情の著しい低下なども続いたと指摘し、いじめに遭わなければ自殺は起こらなかったと結論づけました。
再調査委員会によりますと、今月、第三者委員会の調査報告書と似た文書がネット上に流出した事態を踏まえ、正式な調査結果の答申と公表は、情報管理の安全性が確認できしだい、後日行うということです。