労働党が過半数獲得、政権交代の可能性
イギリスの総選挙は日本時間のきょう午後投票が行われます。
議席予測では最大野党・労働党が単独過半数を獲得するとしていて、14年ぶりに政権交代する可能性が高まっています。
世論調査会社が3日に発表した議席予測では、下院の定数650のうち労働党が400議席以上を獲得する一方、保守党は改選前の3分の1以下に議席を減らすとしていて、14年ぶりに政権交代する可能性が高まっています。
イギリスメディアは、労働党がブレア党首の下で圧勝した1997年を上回る議席を獲得し大勝を収める一方、保守党は過去100年で例がないほど歴史的大敗を喫する可能性があると報じています。
移民政策とルワンダ計画が選挙の争点
投票は日本時間のきょう午後3時に始まり、大勢が判明するのは早ければ明日の午前となる見通しです。
総選挙が行われるイギリスはこれまで多くの移民を受け入れてきた歴史のある国ですが、その政策が選挙の争点の一つになっています。
南部アフリカ・ナミビア出身のヴェムさん、2年前、難民としての保護を求め11歳の娘と共にイギリスに逃れてきました。
ヴェムさんの育った地域では性暴力の被害は身内の恥とされ、声を上げることも許されないまま被害は数十年に及びました。
警察に訴えたものの捜査は行われず、告発したことで身内から命を狙われるようになったといいます。
そんな安全な場所を求め逃れてきた難民申請者が今懸念しているのが…
ルワンダ計画とは非正規の方法で入国した人々をアフリカのルワンダへ強制的に移送するというもので、ルワンダ政府は多額の経済援助と引き換えに受け入れる予定です。
背景にあるのは難民申請者の増加。
その数はおととしおよそ10万人に上り、うち半数近くは小型ボートで海を渡るなど非正規の方法で入国しようとした人々です。
こうした不法入国を抑止するため打ち出された計画ですが、歴史的な大敗が予想される与党・保守党が保守層にアピールするための目玉政策にしているのです。
一方、最大野党・労働党は選挙に勝てばルワンダ計画は取りやめ国境警備を強化するとしていてまさに世論を二分しています。
一方、イギリス最高裁はルワンダで難民申請が適切に判断がされず難民が母国に強制送還されるおそれを指摘。
ヴェムさんもその恐怖を抱えています。