最高裁、献金念書を無効と判断
旧統一教会に献金してきた高齢の元信者が書いた念書。
教団に返金を求めないという内容です。
この念書が争点となっていた、元信者や家族が献金を返すよう求めた裁判で、最高裁判所は、念書は無効だとする判断を示しました。
その上で、献金を勧誘した行為の違法性などについて、高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。
高等裁判所での再審理を命じる
原告側は、母親の意思ではなく、無効だと主張しましたが、1審と2審はともに、念書は母親が正常な判断で真意に基づき署名し、押印したものだという教団側の主張を認めました。
母親は裁判の途中で亡くなり、娘が上告していました。
そしてきょうの判決、最高裁判所第1小法廷の堺徹裁判長は、母親は念書を作成した半年後には認知症と診断され、合理的な判断をすることが困難な状態だった。
信者らは、念書の締結を終始主導し、判断が難しい母親の状態を利用して、一方的に大きな不利益を与えた。
念書は無効だと指摘しました。
一方、献金の勧誘が違法かどうかについては、寄付者の属性や家庭環境、教団との関わり方など、多角的な観点から検討することが求められるなどとして、東京高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。