東京株式市場の大幅な値下がり要因
>>おはBiz、神子田キャスターです。
>>おはようございます。
皆さん、きょうもよろしくお願い します。
きのうの東京株式市場、日経平均株価は、一時1300円以上値下がりしました。
終値では前日の終値より1285円34銭安い3万7869円51銭と、終値としてはことし最大の下げ幅、そして8年前のイギリスのEU離脱、ブレグジット以来の大幅な値下がりとなりました。
>>どうしてこれだけ大幅に下がったんでしょうか。
>>大きく言って要因は2つあります。
1つ目は24日のニューヨーク市場の株価の下落です。
前日に発表されたアメリカのテスラやグーグルの親会社の決算の内容を受けて、企業業績の先行きへの懸念が広がり、ハイテク関連銘柄の多いナスダックの株価指数がことし最大の下落率となるなど、株価が大幅に下落した影響を受けました。
そして、2つ目は円高の進行です。
きのうは、株式の取り引き時間中に1ドル152円台まで円高が進みまして、自動車や電機など、輸出関連の銘柄にも売り注文が膨らみました。
>>このところ、急激にこの円高が進んでいますが、背景には何があるんでしょうか。
>>この時間でも何度もお伝えし ているんですけれども、これまで円安が進んできた背景というのは、日本の金利が低い、アメリカが高いという、この金利差がありました。
今後の株価動向と専門家の見解
このうちアメリカの中央銀行に当 たるFRBは、アメリカ国内のインフレがようやく収まりつつある ことから、ことし9月にも政策金利の引き下げを行うと見られてい ます。
その一方で、 日銀についても来週の金融政策を決める会合で、政策金利を引き上げるのではないかという見方が急速に浮上してい るんですね。
実際に金利を引き上げるとなると、 アメリカと日本の金利差、縮小していきますから、円安方向から円高方向に動きが切り替わろうとしているという見方も出ています。
>>今回の株価下落、専門家はど う見ているんでしょうか。
>>日本の株価、ここまで一本調 子でほぼ上がってきましたから、ここで一服、調整局面に入っても 不思議ではないという受け止めも出ています。
今後については、次のような見方が出ています。
>>三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩さんです。
日本経済は一定の物価上昇が続くなど、賃金と物価に改善が見られ、失われた30年から脱しつつある。
企業が資本コストや株価を意識し た経営に向けて、前向きに取り組んでいることも投資家は評価して いる。
>>ということで、株価は中長期 的には上昇の余地があるという見方です。
ただ、当面は次のような見方も出ているんですね。
>>みずほ証券の三浦豊さんです。
アメリカ株の下落の背景には、大 統領選挙を巡る不透明感の高まりがあり、リスク資産の取り引きを 手じまいする動きに拍車をかけている。
中長期の投資家は売り買いを控える一方、短期的な取り引きを行う 投資家の動向が相場を左右し、非常にボラティリティーの高い動きになる可能性がある。
ボラティリティー。
>>変動性という意味なんですけれども、今後、 株価は不安定な値動きが続く可能性が高いという見方を示していま す。
ということで、さまざまな要因が 重なった今回の株価の急落。
まずは来週の日銀の政策決定会合 と円相場の行方に注目したいと思います。