ライブの臨場感を未来に残す挑戦
うまい人の音は、地面がこう、びりびり揺れるなど、その場にいるからこそ肌で感じることがあるんですよね。
この音楽ライブですけれども、市場規模が去年、4757億円と、過去最高を更新しました。
こうした中で、一度きりのライブの臨場感を最新の技術で記録をして、未来に残そうという取り組みが始まっています。
みずからのライブを未来に残す。
新たな取り組みを発表したのは、人気ロックバンド、LUNA SEAです。
無人の楽器が奏でる生音の技術
この日、音楽ライターや音響の専門家を前に披露したのは、去年5月に都内で行ったライブ。
録音した音源を流すのではなく、無人の楽器が生の音を奏でるのが特徴です。
この技術を開発したのは、浜松市にある楽器メーカーです。
プロジェクトリーダーを務めている柘植秀幸さんです。
人が弦を弾いたとき、弦の振動がボディに伝わり、ボディが振動することで音が発生します。
そこでまず、実際の演奏の振動データを記録。
それを再び楽器に伝えて、演奏を再現する装置を開発しました。
演奏のときの細やかなタッチや癖まで再現できます。
開発を始めて8年。
今ではドラムやチェロなど、さまざまな楽器で演奏を再現できるようになりました。
柘植さんがこの技術の開発に着手するきっかけとなったのは、高校時代のあるライブの体験でした。
将来的にはこういった残る名演奏が、次の人間の天才を生む教材になるかもしれない。
こうした機械と人間が上手に共存していければ、より豊かな音楽ライフが待っているかもしれませんよね。