大潮の日に集中するゼニガタアザラシの出産
襟裳岬はゼニガタアザラシの日本最大の生息地で、700から800頭ほどが暮らしています。
5月、この地でアザラシたちは出産の季節を迎え、大潮の日に集中して出産が行われます。
潮が大きく引き、普段は海の中にある岩場が広く露出するこの特別な日に、妊娠したメスたちが出産のために岩場に集まります。
1頭のアザラシが出産を始めると、10分後には赤ちゃんが動き始め、初めて海に入ります。
母乳で急速に成長する赤ちゃんアザラシ
初めての泳ぎから戻ってきた赤ちゃんアザラシは、母親のお乳を飲みます。
母乳には脂肪分が牛乳の10倍も含まれており、栄養たっぷりのお乳を飲んだ赤ちゃんは急速に成長し、体重は1か月ほどで3倍の30キロにもなります。
ゼニガタアザラシの出産シーズンは他の生き物たちにも影響を与え、自然のリズムをうまく利用して命をつないでいく様子が観察されています。