観光船沈没事故とその背景
北海道知床半島沖で観光船が沈没した事故で、海上保安本部はきのう、業務上過失致死などの疑いで逮捕した運航会社の社長が、強風や波浪の注意報が出ているにもかかわらず、運航を続けたことなどが事故につながったと見て、詳しいいきさつを調べています。
おととし4月23日、知床半島の沖合で、知床遊覧船が運航する観光船、KAZU Iが沈没した事故では、乗客と乗員合わせて20人が死亡、6人が行方不明になっています。
第1管区海上保安本部はきのう、知床遊覧船の社長、桂田精一容疑者を、運航管理者などとして安全を確保する義務を怠り、船を沈没させて乗客と乗員を死亡させたとして、業務上過失致死と、業務上過失往来危険の疑いで逮捕しました。
社長の判断と逮捕の詳細
社長の認否は明らかにしていません。
事故当日、周辺では強風と波浪の注意報が出されていましたが、桂田社長は事故後の記者会見で、午後の天気が荒れる可能性があるが、朝の時点では風や波が強くなかった。
海が荒れるようなら引き返す条件付き運航として出港させたと説明していました。
海上保安本部は、悪天候の中で出港したうえ、引き返すこともせずに運航を続けるなどした判断が事故につながった疑いがあると見て、詳しいいきさつを調べています。