静岡地方裁判所の判決と証拠の検証
静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん88歳。
再審・やり直しの裁判で、静岡地方裁判所は、捜査機関によって証拠がねつ造されたと指摘し、無罪を言い渡しました。
最大の争点となった、みそのタンクから見つかり、有罪の決め手とされた5点の衣類について、静岡地方裁判所は判決で、1年以上、みそに漬けられた場合に、血痕に赤みが残るとは認められず、捜査機関によって血痕をつけるなど加工され、タンクの中に隠されたものだと指摘しました。
再審の意義と司法への問いかけ
静岡地方裁判所の國井恒志裁判長は、判決を読み上げたあと、ことばを詰まらせながら、袴田さんに謝罪しました。
この無罪判決まで、袴田さんは約60年にわたり収容され、司法の判断に翻弄され続けました。
今回の事件は再審制度の重要性と、証拠開示のルールの見直しの必要性を問いかけています。