日銀の国債引き受けの影響と財政の現状
日銀の国債残高、約590兆円という額は、普通国債の発行残高の半分以上に上ります。
これだけの存在感を持っていた日銀が引き受け側から徐々に姿を消す過程で、国債の発行金利は上昇し、国の利払い費が増加すると考えられます。
総理は危機に強じんな経済・財政を作ると強調していますが、そもそもコロナ禍の令和元年で約101兆円であった当初予算は、本年には約112兆円まで増え、コロナ禍で膨張した財政規模は元に戻らないままです。
現状、どう受け止めますか。
プライマリーバランスの黒字化と社会保障制度の改革
令和7年度にプライマリーバランスが黒字化する見込みであるといわれますが、社会保障制度は税と社会保障料負担で賄われており、この税負担と社会保険料、税負担を社会保険料に付け替えれば、プライマリーバランス黒字化の達成に近づくことができます。
子ども・子育て支援金などで現役世代の社会保険料をふやしておきながら、プライマリーバランスの黒字化などと小躍りするのはまさに詐欺的行為であり、隠れ増税にほかなりません。
社会保障制度の持続可能性を担保するには、単に財源を税や国債に求めるか、社会保険料に頼るかという議論ではなく、根本的に社会保障制度自体を改革することが必要と考えますが、同意いただけますでしょうか。