大分市の危険運転致死事件概要
3年前、大分市の県道で、時速194キロで車を運転して死亡事故を起こしたとして、危険運転致死の罪に問われている当時19歳の被告に、きょう、大分地方裁判所で判決が言い渡されます。
2021年2月、大分市の当時19歳の被告は、法定速度が時速60キロの市内の県道で、車を時速194キロで運転し、交差点を右折してきた車と衝突して、運転していた小柳憲さんを死亡させたとして、危険運転致死の罪に問われています。
裁判の争点と今後の注目点
裁判では、危険運転致死罪の処罰対象になっている、進行を制御することが困難な高速度に当たるかどうかが主な争点になりました。
検察は、現場の道路を時速194キロで走行した場合、路面状況から車体に大きな揺れが生じるとして、車の制御は困難だったと主張し、懲役12年を求刑しました。
これに対し弁護側は、道路に沿って直進走行できていて、ハンドルやブレーキの操作を誤ったことで起きた事故ではないとして、より刑の軽い過失運転致死罪が適用されると主張しました。
猛スピードの車による死亡事故を巡っては、危険運転致死罪が適用されない事例が相次ぎ、法務省の検討会で適用要件の在り方などの議論が行われていて、法定速度の3倍を超える今回の事故について、裁判所がどのように判断するか注目されます。