聴覚障害の女の子が交通事故で亡くなる
交通事故で亡くなった聴覚障害のある女の子が将来得られるはずだった収入をどう算定するかが争われた裁判で、障害を理由に減額せず健常者と同じ基準での算定を認めた大阪高等裁判所の判決について、運転手側が上告せず司法判断が確定しました。
2018年2月、大阪生野区でショベルカーが歩道に突っ込む事故が起き、近くの聴覚支援学校に通っていた井出安優香さんが亡くなりました。
遺族が運転手と勤務先の会社に損害賠償を求めた裁判では、将来得られるはずだった収入にあたる逸失利益をどう算定するかが争われました。
画期的な司法判断とその意義
遺族の弁護団によりますと、こうした司法判断は初めてと見られます。
判決の確定を受けて弁護団が声明を発表し、判決の意義や趣旨を深く理解し、障害があるから当然に逸失利益を減額するという差別的な取り扱いを改めることを強く願いますとしています。