昆虫学者への転機
日本の植民地時代の朝鮮半島で育ったソクは、17歳で鹿児島大学農学部の前身に進学しました。
当初の目的は農業を学ぶことでしたが、そこで出会った昆虫学者の岡島銀次がソクの人生を大きく変えるきっかけとなりました。
岡島からかけられた一言が、ソクを昆虫学者へと導いたのです。
卒業論文には、昆虫の細かい特徴を精密に描いたスケッチが残されており、その研究のために何百もの標本を丁寧に紙で包み、正確な記録をとる努力をしていました。
岡島はその中にソクの昆虫学者としての才能を見いだし、保護者のようにソクを支えました。
国際的な評価への道
その後、ソクは朝鮮半島に戻り、昆虫学者としての道を歩むことになりました。
岡島や江崎悌三との交流を通じて、彼は国際的に評価されるようになり、昆虫学の発展に貢献しました。
歴史の波に翻弄されながらも、彼の業績は残り、日本の研究者たちと共に未来の研究者たちに引き継がれることとなりました。
この深い交流は、科学を通じて真理を追求する共通の目的があったからこそ、可能になったのです。