日中韓首脳会談での議論の焦点
岸田総理が出席している日中韓3か国による首脳会談が韓国で開かれています。
会談では停滞しているFTA=自由貿易協定の交渉再開に向けた議論がされる見通しです。
会談は午前10時から旧大統領府=青瓦台の迎賓館で始まりました。
岸田総理は会談の冒頭で、日中韓協力は新しい再スタートを切ります。
今の時代にふさわしい3か国の具体的な協力をさらに進めることができるか議論を深めたいと強調しました。
およそ4年半ぶりとなる3か国の会談では、経済・貿易分野での協力や感染症のパンデミック対策、少子高齢化など3か国で取り組む社会課題、北朝鮮などの地域情勢が話し合われる見通しです。
貿易・経済分野では3か国のGDPが世界のおよそ2割を超える中、FTA=自由貿易協定の交渉再開に向けた議論がされていると見られます。
核・ミサイル開発を進める北朝鮮については、3か国での連携が確認されるとみられますが、その北朝鮮に対する考えが日本と韓国、中国では分かれていて、会談で足並みをどこまでそろえられるかが焦点となります。
岸田総理は率直に意見交換を行い未来志向の実務協力で一致したいとしていて、今回のサミットから3か国で議論を継続するプロセスの再活性化につなげたい考えです。
まもなく3か国の首脳会談が首脳が共同で会見し、会談の成果を文書で発表する見通しです。
北朝鮮の衛星打ち上げに対する対応
一方、北朝鮮は近く衛星ロケットを打ち上げると海上保安庁に通報しました。
打ち上げ期間はきょう午前0時から来月4日午前0時までの間としていて、落下が予想されるのはいずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側です。
北朝鮮は去年11月初めて軍事衛星の打ち上げに成功し、キム・ジョンウン総書記は年内に3基を打ち上げるとしていました。
韓国軍合同参謀本部は軍事衛星の発射は国連安保理の決議に違反する挑発行為だと指摘したうえで、打ち上げに備え日米韓3か国が連携していると強調しました。
また韓国政府関係者は北朝鮮の動きについて、日中韓サミットに合わせたのではなく技術開発の日程に沿ったものとの見方を示しています。
北朝鮮による衛星打ち上げの通報を受けて林官房長官は、国連安全保障理事会決議の明白な違反であるとして、北朝鮮側に対し外交ルートを通じて打ち上げ中止を求めたことを明らかにしました。
すでに日本、アメリカ、韓国の北朝鮮担当の高官が電話協議を行い、連携して北朝鮮に中止を求めていくことを確認したとしています。
またすでに打ち上げ予告期間に入っていることから、防衛省自衛隊においては防衛大臣からの破壊措置命令に基づき、必要な体制を構築しているとしています。