新たな紙幣の発行とその背景
1か月後の来月3日から、新たな紙幣が発行されます。
こちら、現在、福沢諭吉が描かれている一万円札は、近代日本経済の父、渋沢栄一に変わります。
そして、五千円札には津田梅子、千円札には北里柴三郎の肖像がデザインされます。
新しい紙幣の発行は20年ぶりですけれども、20年前とは違って、キャッシュレス決済が広がる今、対応する現場では。
こちらは小樽市にある日銀の資料館。
新たな紙幣を紹介する展示会が開かれています。
紙幣のデザインの変更は、偽造防止の強化と、誰でも利用しやすいユニバーサルデザインの導入が目的です。
さまざまな業界で準備が進んでいます。
新紙幣導入への対応と今後の展望
財務省によりますと、発行の開始までに、金融機関のATMや大手コンビニのレジなどでは、更新作業はおおむね完了する見込みです。
一方、飲食店の食券の券売機などは5割程度にとどまると見られ、対応が間に合わないケースも出る見通しです。
その理由の一つが、駆け込み需要による品薄です。
こちら、飲食店などに券売機を販売する会社では、納品まで少なくとも3か月ほどかかるといいます。
また、費用の負担が大きいという指摘も。
札幌市のそば店では、券売機の更新に最大300万円かかるということで、しばらく見送ることにしました。
新しい紙幣は今の紙幣と交換する形で対応するほか、すでに導入しているキャッシュレス決済をすすめることにしています。
ところで、今の紙幣は今後、どうなるのか。
鈴木財務大臣は、古い紙幣も引き続き使用できると強調しました。
財務省は、古いお札は使えなくなるから回収しますといった詐欺などに注意するよう呼びかけています。