虹波の臨床試験で9人が死亡
熊本県合志市にある国立ハンセン病療養所菊池恵楓園の歴史資料館は、旧陸軍が開発を進め、園の入所者を対象に投与された虹派と呼ばれる薬剤の臨床試験中に9人が死亡したとする調査結果の中間報告をまとめました。
菊池恵楓園では、戦時中、旧陸軍が開発を進めていた虹波と呼ばれる薬剤の臨床試験が、入所者を対象に行われたとする資料が残されています。
研究の目的と薬剤投与の影響
それによりますと、虹波は写真の感光剤を合成した薬剤で、抗菌作用があったとされ、研究の目的は、国民の体質を向上させ、軍事作戦で応用するためだったとしています。
臨床試験の期間は、戦時中の1942年12月から戦後の1947年6月にかけてで、少なくとも入所者472人に虹波が投与され、試験中に9人が死亡し、このうち2人は薬剤投与との因果関係が疑われるとしています。
虹波は、ほかにも入所者370人に投与された可能性があるということで、歴史資料館は今後、さらに詳しく調査を進めることにしています。