厚労省が審議会に示した男女差解消案
会社員などが亡くなった際に配偶者らに支給される遺族厚生年金を巡り、厚生労働省は、現役世代で子どもがいない人の受給期間を男女ともに5年間とするなど、男女差を解消する案を審議会に示しました。
遺族厚生年金は、厚生年金に加入している会社員などが亡くなった際に、配偶者らに年金が支給される制度です。
受給期間の見直しと制度改正に関する今後の方針
厚生労働省がきょうの審議会で示した男女差を解消する案では、配偶者が亡くなったときに60歳未満の人について、男性も年齢にかかわらず受給できるようにし、期間は男女ともに5年間とするとしています。
ただ、今も男女の就労環境には差があることから、妻の受給期間の5年間への短縮は、段階的に20年以上かけて行うとしていて、受給中の人や現在、40代以上の女性は影響を受けないとしています。
また、夫が亡くなった時点で40歳以上だった妻に、64歳までの間、年間およそ60万円が上乗せして支給される、中高齢寡婦加算も、段階的に廃止していく方針が示されました。
一方、5年間の遺族厚生年金の受け取り額を現行制度より増やす配慮措置や、年収850万円未満の人しか受け取れない収入要件の廃止も検討する方針が示されました。
出席した委員からは、制度改正に賛成する意見が相次ぎましたが、受給期間を5年にするかどうかについては、今後、時間をかけて検討するよう求める意見も出されました。
厚生労働省はさらに検討を重ね、来年の通常国会に必要な法案の提出を目指す方針です。