福井の事件と前川彰司さんの逮捕経緯
福井の事件で一貫して無実を訴えてきた前川彰司さん。
38年前の1986年、中学3年の女子生徒が福井市の自宅で殺害され、警察は翌年、当時21歳だった前川さんを逮捕しました。
決め手は、事件が起きた夜に服に血が付いた前川さんを見たという複数の関係者の証言でした。
1審は無罪でしたが、2審で懲役7年の有罪となり、最高裁判所で確定します。
2004年に1回目の再審請求を行い、7年後にいったんは再審が認められましたが、検察が異議を申し立て、取り消されました。
おととし、2回目の再審請求を行いました。
今回の審理では、再審の手続きで検察が持っている証拠を開示するルールが定められていないという、制度の課題も浮き彫りになりました。
再審制度の課題と証拠開示の重要性
名古屋高裁金沢支部は、この開示された証拠などを踏まえ、主要な関係者の1人がみずからの刑事事件について有利な量刑を得るなどの不当な利益を図るために、前川さんが犯人だとうその証言を行ったと指摘しました。
再審で無罪が確定した袴田巌さんのケースでも、最初に再審を申し立ててから、重要な証拠が開示されるまでに、およそ30年かかりました。
再審制度の課題について、専門家からの意見が寄せられています。