ネオジム磁石の弱点とその影響
ネオジム磁石は当時主流ではなかった鉄、ホウ素、ネオジム等の元素の組み合わせで佐川さんによって開発され、実用化されました。
約100年間に渡り日本が磁石研究をリードし、東北大学の本多光太郎さんや俵好夫さんらが世界最強の磁石を次々と発明しました。
現在でもネオジム磁石は最強の座を維持し続けていますが、ある弱点がありました。
それは熱だったのです。
ネオジム磁石は普通の磁石に比べて熱に弱く、ガスバーナーで温めると力が弱まるという特性がありました。
新素材の開発と将来の展望
熱に強い磁石が必要とされる中、新たにネオジム磁石に代わる研究が進行しています。
世伯理那仁さん率いる研究チームがその一員で、彼はネオジム磁石に代わる熱に強い磁石の開発を進めています。
彼が開発を進めているのはジスプロシウムというレアアースを含んだ新素材で、これを混ぜることで原材料の耐熱性を上げ、モーターでも本来の性能が発揮できると期待されています。
しかし、このジスプロシウムは、主な生産国である中国が供給を止めてしまうリスクがあり日本は輸入に頼るという現状が課題となっています。
現在、新素材の研究が進みつつあり、数年以内には実用化にこぎ着ける所存であると述べています。
あらたな世界最強の磁石が日本から生まれる期待が持たれています。