中国とロシア、上海協力機構での結束をアピール
欧米各国で内政の見通しが不透明となる中、結束をアピールしたのはこちらの2人、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領です。
両国が主導する枠組み、上海協力機構の首脳会議が行われていたカザフスタンで会談しました。
ウクライナ情勢を巡って対立する欧米に対し、両国の結束をアピールしたロシアのプーチン大統領。
中国の習主席は。
こうした中、上海協力機構の首脳会議は、
参加国の首脳らによる全体会合が開かれ、ロシアの同盟国、ベラルーシの正式加盟が承認されました。
中国やロシアは、欧米とは異なる独自の枠組みとして拡大を目指していて、去年はウクライナ侵攻を巡ってロシアを支援しているイランも正式加盟しています。
今回はベラルーシの加盟が承認されたことで、欧米主導の国際秩序に対抗する枠組みとしての性格がさらに強まった形です。
中ロ首脳会談の成果と今後の展望
では、現地で取材に当たったウラジオストク支局の辻浩平記者と中国総局の須田正紀記者に聞きます。
まずは辻さん。
中ロ首脳会談、そしてカザフスタンでの一連の会議は、ロシアにとってどういった成果があったんでしょうか。
そうですね、欧米側への対抗軸を示す機会になったとして、歓迎していると見られます。
プーチン大統領はかねてから、アメリカ主導の国際秩序に異議を唱えてきました。
ウクライナ侵攻後、その欧米との溝は一層深まっています。
この2日間、プーチン大統領は中国の習主席をはじめとして、各国首脳と精力的に会談を重ねて、連携を誇示してきました。
さらに今回、この上海協力機構の枠組みには、同盟国のベラルーシが正式加盟し、去年はロシアを軍事的にも支援してきたイランも加わって、対抗軸、欧米の対抗軸としての色合いが一層鮮明になった形です。
一方でウクライナ侵攻を巡って全面的な支持があるわけではありません。
中国は軍事支援には慎重で、ロシアの裏庭ともされる中央アジアの国々の中には、距離を置く国も出てきているんです。
ロシアとしては、こういう状況の中でも、友好国との関係に乱れはないということをアピールしたかったんだと思います。
では続いて須田記者に聞きます。
中国の思惑はどう見ますか。
中国にとって上海協力機構というのは、アメリカ主導の国際秩序への対抗という戦略を推し進めるための重要な場だという位置づけです。
習近平国家主席は、きょうの会議で、われわれは手を携えて外部からの干渉に抵抗すべきだと演説しました。
ただ、ロシアとの関係は簡単ではありません。
中国は先月のウクライナの和平案を話し合う平和サミットも欠席するなど、ロシア寄りの姿勢を取ってはいるものの、完全な一体化は避けたいと考えていると見られます。
背景には経済があります。
景気の不透明感が拭えない中、欧米を含めた海外からの投資は増やしたいところです。
中国は対立するアメリカを強く意識して、ロシアとは協力する一方、欧米から得られる経済的メリットを享受しようと、難しい外交を展開しようとしています。
ここまでウラジオストク支局の辻記者、そして中国総局の須田記者とお伝えしました。