ニペソツ山の地形と生物
北海道中央部に広がる大雪山系の東に位置するニペソツ山は、標高2013mの険しい山で、約30万年前の火山活動によって誕生しました。
この山の特徴は、崩れやすい脆弱な岩肌と、その隙間に生息する生き物たちです。
ナキウサギは、体長約15cmの小さなウサギの仲間で、岩の隙間を素早く移動し、外敵から身を隠すことができる絶好の隠れ家となっています。
秋、紅葉が山を彩る頃、高山植物やハイマツが成長し、厳しい環境の中でも生命が営まれています。
特にこの時期、松ぼっくりを食べるホシガラスは、冬に備えて種を埋めることで、植物の繁殖にも寄与しています。
水辺の生態系と動物たち
小さな沼は、火山性の土砂が崩れることで形成され、特に栄養が乏しい環境を好む水草が茂ります。
ここでは、水草を求めて集まるトンボが繁殖の季節を迎え、水面に卵を産み付けます。
さらに、エゾシカも水を求めて沼に訪れ、柔らかい水草を食べることで冬に備えています。
ニペソツ山の多様な自然環境は、多くの生き物たちの生態系を支え、互いに関わり合いながら命をつないでいます。