伝統と現代の接点を探る桐本さんの歩み
桐本さんは木地職人だった祖父と父の傍らで育ち、手先が器用な少年は高校卒業後、輪島を離れて大学でデザインを学びました。
彼の生きる指針となった言葉を胸に、能登に戻り父の仕事を継ぐことになった桐本さん。
しかし、彼を待っていたのは厳しい現実でした。
地場産業が衰退し、桐本さんの木工所も追い込まれていく中、彼は変わることを選びました。
塗りの職人を雇い、全てを一貫して製作できる工房を立ち上げたのです。
若手の職人を集め、新たな輪島塗を作るための勉強会を開くなど、異端とも見なされる取り組みを始めました。
未来を見据えた桐本さんの信念と挑戦
その後、桐本さんは2007年の能登半島地震やコロナの影響を乗り越え、常に仲間を鼓舞し、新しいものを生み出してきました。
彼の信念は、伝統的な技術を継承しながら、現代にマッチした新しい漆器を生み出すことです。
今もなお、彼は困難を乗り越える力を信じ、未来を見据えて走り続けています。
桐本さんにとって、好きなことを仕事にすることこそが、プロフェッショナルの姿だと感じられます。