精神鑑定医不足の現状と裁判員制度
日本の裁判員制度において新たに明らかになった課題の一つが、捜査段階で容疑者の精神鑑定を行う医師の不足です。
この問題は、裁判員裁判の導入以降、特に顕著になっています。
裁判員制度が始まった2009年から、精神鑑定留置の件数が急増しており、裁判を迅速に進めるためにも、事前に争点を整理する必要があります。
その過程で、容疑者の刑事責任能力が争点となる場合、精神状態の評価が不可欠です。
精神鑑定の質と医師育成の重要性
しかし、質の高い鑑定を行うことができる医師は全国の精神科医約1万6000人中、わずか54人に限られています。
このような状況は、精神鑑定の質問の方法や、医師としての対応の仕方を学ぶ若手医師への支援が求められる事態を招いています。
医師の育成を目指し、事例検討会を定期的に開催するなどしていますが、これからも更なる改善と支援が必要です。