無断で広がるAI歌声の現状
人工知能=AIが日々進化する中歌手の命である歌声を無断で使用するサービスが広がっています。
対策としてアメリカで誕生した法律その名もエルビス法とは。
この歌声はトランプ前大統領ではなく実はAIがまねした歌声です。
今自分の声をAIで別人の歌声そっくりに変えられるサービスが急速に広がっています。
ハッピバースデートゥーユー記者の声を女性歌手の声に変換してみると…こうした歌声のSNS投稿が人気を集め注目されているこのサービスですが、そのほとんどが許可を得ていません。
有名アーティストらがこの春AIによる権利の侵害を非難する声明を出すなど大きな問題となっています。
エルビス法がもたらす影響と今後の展望
そこでこんな法律が。
音楽の都テネシー州で全米のアーティストらが注目する初めての法律が施行されました。
その名もエルビス法です。
あのエルビス・プレスリーが世界に羽ばたくきっかけとなったテネシー州で誕生した通称エルビス法。
写真や名前に加え声を初めて個人の財産として保護する対象にし、無断使用されるのを防ぐ法律です。
違反した場合、最高2500ドルの罰金などが科されます。
法律の制定に携わった音楽団体は「AIの進化によって音楽クリエイターの収入は4年後には3割近くも減少するという調査もあり、危機感が広がっている」と語っています。
無許可のAIサービスはなぜ広がるのか。
歌手の許可を得てサービスを運営している経営者は「ようやくAI利用のルールの整備が始まり、業界にも変化が現れる」と期待しています。
弁護士はエルビス法の影響について「技術の進化を妨げずに表現者の権利を守るルールをどう作っていくのか、今後も取り組みが続きます」と話しています。