再審無罪判決と取り調べの問題
再審・やり直しの裁判で無罪判決が確定した袴田巌さん。
最高検察庁と静岡県警察本部が、当時の捜査などを検証し、結果を公表しました。
最高検察庁は、供述に真摯に耳を傾けたものとは言えなかったなどとしています。
一方、証拠のねつ造に対しては、現実的にありえないと強く否定しています。
再審の無罪判決で、非人道的だと指摘された取り調べ。
袴田さんは、58年前の一家4人殺害事件で、44年もの間、死刑囚の立場に置かれました。
当時、警察官の取り調べは、自白する前日まで、毎日平均12時間行われたといいます。
捜査の事実確認と警察の反省
静岡県警察本部はきょう、当時の捜査について行った事実確認の結果を公表し、こうした取り調べについて、供述の任意性が否定されるような方法だった。
不適正だったと言わざるをえないとしました。
さらに、警察が袴田さんと弁護士との接見を録音していたと判決で認定されたことについては、重大な違法であり、重く受け止め、深く反省しなければならないとしています。
最高検察庁も、きょう公表した検証結果で、取り調べについて、検察官が袴田さんを犯人であると決めつけたかのような発言をしながら自白を求めるなど、供述に真摯に耳を傾けたものとは言えなかったとしています。